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前年度の研修詳細
● 概要
研修名 現任職員(3部)研修
目標 より住民に信頼される職員となるよう、改めて公務員としての倫理観を醸成する。また、自治体職員に必須の政策法務について学ぶとともに、自身の健康管理とコミュニケーション能力を高める。
計画人員 160人
受講者数 119人
対象者 原則として、採用後12・13年を経過した職員
実施期間 3日間
第1日程:平成29年10月23日、平成29年10月26日、平成29年10月31日
第2日程:平成29年10月25日、平成29年10月27日、平成29年11月1日
研修会場 滋賀県市町村職員研修所(大津市)
センター締切日 平成29年9月20日
● スケジュール
科目名 方法 開始時間 終了時間
1日目 政策法務概論 講義  9:30 12:30
昼食・休憩 12:30 13:30
レジリエンス(メンタルタフネス) 講義・演習 13:30 16:30
2日目 公務員倫理(JKET) 講義・討議・演習  9:30 12:15
昼食・休憩 12:15 13:15
公務員倫理(JKET) 講義・討議・演習 13:15 16:30
3日目 コミュニケーション(交渉力・折衝力向上) 講義・演習  9:30 12:30
昼食・休憩 12:30 13:30
コミュニケーション(交渉力・折衝力向上) 講義・演習 13:30 16:30
閉講式 16:40 16:50
● 科目詳細
政策法務概論
1 政策法務とは何か、最近になってなぜ強調されてきているのか、を学ぶ
 1)自治体行政の基本は、法律・条例に基づく行政である
 2)政策法務が強調されてきた背景事情
  ・地方分権の推進
  ・現実と法制度のギャップを埋める工夫……現場の課題に応える
  ・住民参加の進展と政策法務
 
2 政策法務の具体例を先進自治体に学ぶ
 〜地域のどのような課題を解決するために、どのような検討をしてきたのか〜
  ・京都市が最近制定した政策的な条例を紹介、検討する。
 
3 条例制定をめぐる法律問題の概略を学ぶ
 1)法律と条例の関係(1)一般的基準
  ・徳島公安条例事件最高裁判決
 2)法律と条例の関係(2)具体的分析
  ・パチンコ店建築等規制条例の場合
  〜適法とされた例と違法とされた例の比較検討を通じて、
                     法律と条例の関係について、具体的に学ぶ〜
 3)条例の実効性確保の諸手段
  ・刑罰と過料
  ・司法的執行
  ・制裁的公表、その他の手段
関西学院大学大学院司法研究科 教授 曽和 俊文
レジリエンス(メンタルタフネス)
1.こころの仕組みと感情のコントロール
  ・セルフケアの基礎知識
  ・こころの仕組み
  ・認知の傾向チェック
  ・ネガティブ循環を断ち切るために

2.ストレスフルな状況におけるこころや身体の変化を学ぶ
  ・自律神経系の構造を理解する
  ・他者との関わりに重要な社会神経系迷走神経とは
  ・生理的反応を知りこころの対応領域を拡げる
  ・レジリエンス(こころのしなやかさ)とは

3.自分でできるサイコセラピー(心理療法)
  ・身近なサポートとしてのTFT(思考場療法)とは
  ・気持ちに寄り添う
  ・経絡とツボ
  ・TFTアルゴリズムの基本形を学び、不安や恐怖に対応するTFTを実践してみる
  ・さこつ呼吸法を使い落ち着きを取り戻す
  ・うつの悪循環からの回復5つのアプローチ

4.振り返り・まとめ・質疑応答
キャリアマネジメントコンサルティング株式会社 笠置 佳央
公務員倫理(JKET)
第1章 倫理とは
・公務員倫理を考えるに当たって
・あなたはどう行動しますか

第2章 公務員に求められる倫理
・公務員に寄せられる批判
・公務員の意識
・公務員に求められる倫理
・とるべき態度
・できないのは何故か

第3章 公務員に求められる規律
・服務規程では
・なぜ不祥事を起こすのか
・事例研究
・なぜ誘惑に負けるのか

第4章 実際の場面で
・ロールプレイ

第5章 望ましい職場風土の形成
・部下の告発
・高め合う規律、原点に立ち返って
・実践の決意

※JKET・・・人事院討議式研修「公務員倫理を考える」
県内市町職員(内部講師)
コミュニケーション(交渉力・折衝力向上)
1.自治体職員に求められる調整・交渉能力
  ・人間関係調整能力を高めることの意義
  ・自治体職員に必要な交渉力とは
  ・交渉の成否と心理変化への対応

<演習1>経験分析による成功条件の抽出

2.調整・交渉における表現法
  ・聞き手を考えて話す
  ・表現の2大作用を活用する
  ・感じのよい表現とその実効

<演習2>表現トレーニング

3.効果を上げる傾聴技法
  ・聞くことの効果
  ・聞き方の具体的スキル

<演習3>傾聴トレーニング

4.相手の納得を引き出す技法
  ・理解につなげる説明の仕方
  ・納得を引き出す説得の条件

5.調整・交渉の準備と関係者への配慮
  ・準備の心構え
  ・基本準備の仕方
  ・関係者へのアプローチ

<演習4>調整・交渉実践ロールプレイング

6.さらに対人能力を高めるために
  ・まとめ
株式会社話し方教育センター 池田 統
● 総括
受講者の主な感想(受講者数:119名)
【政策法務概論】
・条例の制定が各自治体の腕の見せ所であるとの考えをはじめ、興味のそそられる内容であった。
・行政職ではないので無関係のように感じていたが、理解しやすい内容でこれから先もっと知識を深めて、住みやすい環境を得るためにも、制定された条例に関心を持ち、現状の問題に目を向けていきたいと感じた。

【レジリエンス(メンタルタフネス)】
・人の考え方(自分も含め)を変革するのはとても難しいが、行動ならできる!!という言葉はとても印象的で新たな発見となった。
・ストレスチェックは受けるだけでは意味をなさず、結果を受けての行動が大切だと学んだ。
(講師からのアドバイス)
 メンタルヘルス、今回は特にレジリエンスというテーマでしたが、公務は云わば支援者としての立場に皆さんはあると思います。良い支援を行うためにも、支援者自身のセルフケアが大切です。今回ご紹介させていただきました、セルフケアに役立つ知識を実践していただき、ご自身の状態を良好に保っていただきたいと思います。ひいては、良い支援につながりますように。

【公務員倫理(JKET)】
・入庁当時に研修を受けた「職務専念義務」「信頼失墜行為」等に関する認識が薄らいでいたことに気がついた。
・公務員として求められる倫理観は、自分が考えていた以上に広い範囲にあると痛感させられた。

【コミュニケーション(交渉力・折衝力向上)】
・交渉する上での必要な能力という内容で、受講前は難易度が高いのではと思っていたが、受講してみたところ、具体的な手法等、初歩的な導入内容であり、班別で取り組むことでより内容の濃いものとなった。
・慣れや雰囲気でやり過ごしてきたことが多いことを反省し、戦略をもってコミュニケーションが取れるよう準備するようにしていきたい。
(講師からのアドバイス)
 スキル向上の一番の秘訣は、難しい折衝・交渉場面が終わった後、振り返りを行うことです。振り返るのは成功部分とその要因、失敗部分とその要因です。勝ちも負けもなく、100%の満足もないのが、折衝・交渉というコミュニケーションの難しさです。そのようにして、「知識取得(研修)+体験×振り返り=学習」へと昇華させることが、スキルアップのために重要なことです。
 振り返りの対象は、自側だけでなく相手側にもあります。別の市町村の別テーマの研修において、受講生から休憩時間中に「民間業者との交渉に手こずっている」との相談を受けました。そこで、本研修でお伝えしたような技法を紹介したところ、「まさに民間業者の手法である」との感想を聞きました。劣勢に立たされていると感じたとき、あるいは「この人は交渉上手だな」と思ったとき、それは何によるのかを検討してみる価値があります。
 また、自分の強みは何かをよく知ることも大切です。それがあれば、難しい交渉場面においても、どのように振る舞えばよいのか、冷静さを得ることができます。交渉をうまく進められたとき、相手に「私の何がよかったのか?」と尋ねてみるとよいと思います。
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